2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性急性前骨髄性白血病における新規レチノイド化合物の分化誘導機構の解明
Project/Area Number |
20790753
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
井上 彰子 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (90330076)
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Keywords | 急性前骨髄性白血病 / レチノイン酸 / 分化誘導 |
Research Abstract |
急性前骨髄性白血病(APL)のall-transretinoic acid(ATRA)療法は、染色体15 ; 17転座に伴うPML/RAR融合遺伝子を標的とした分子標的療法である。近年、新たなレチノイド化合物Am80(再発・難治性のAPL)およびTAC101(肝細胞癌)が開発された。さらには、RXRアゴニストであるレチノイド化合物(HX630, PAO24)も、分化誘導能を呈することが報告されている(東京医歯大影近弘之教授)。分化誘導療法のメカニズムとして、PML/RAR融合遺伝子と相互作用する転写共役因子の存在が重要である。新規レチノイド化合物とATRAの分子生物学的特性を比較した基礎的な研究はあまり多くない。本研究では、転写共役因子との相互作用およびRARαの標的遺伝子群に対する転写活性の評価を行う。APL細胞における新規レチノイド化合物の分化誘導機構について、ATRAとの差異を明確にする。 1ATRA耐性APL細胞(UF-1)において、新規レチノイド(Am80, TAC101, HX630, PAO24)により誘導される標的遺伝子群の網羅的解析 UF-1細胞にレチノイド化合物を添加し、誘導される遺伝子群をマイクロアレイにて検討する。現在、添加実験の条件検討を行い、準備段階である。 2RAR標的遺伝子群の転写活性実験 骨髄球分化に関係する転写因子C/EBPεおよび好中球顆粒蛋白質defensin4のプロモーター領域(上流約500bp前後)をゲノムDNA(BACクローンライブラリ)よりPCR法にて取得した。 3PML/RAR融合蛋白質と転写共役因子の相互作用に対する影響 転写共役因子の発現ベクターを構築する。転写共役因子は、転写に促進に働く共役因子(TRAP, CBP, p300)および抑制的に働く共役因子(N-CoR)を用いる。各遺伝子のPCR法にて取得した。
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