2008 Fiscal Year Annual Research Report
血中ステロイド一斉測定および病理組織検体を用いた超早産児の副腎機能の検討
Project/Area Number |
20790772
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三輪 雅之 Keio University, 医学部, 助教 (30383855)
|
Keywords | 副腎機能 / 早産児 / 超低出生体重児 |
Research Abstract |
今年度は超早産児の副腎機能を評価する上で重要となる正期産児および34-36週の早産児の副腎機能の比較を行った。また、正期産児、早産児各群において子宮内環境の違いとしてAGA児・SGA児に分け4群間で副腎皮質ステロイドの濃度の比較を行った。 少数例での比較ではあるが、これらの4群を比較した結果、正期産児と34-36週の早産児では永久皮質からのコルチゾール分泌濃度には差がなく, 胎生皮質からのステロイド分泌は早産児で有意に高いことが示された。また、胎生皮質からのステロイド分泌は正期産児、早産児ともAGA児に比べSGA児で有意に低値であることが判明した。正期産AGA児と早産SGA児の胎生皮質ステロイド分泌はほぼ同等であった。胎生皮質からのステロイド分泌は在胎週数が進むにつれ副腎機能の成熟とともに低下すると考えられるが、SGA児では成熟がすすむのではなく、体の成長と同様に副腎の成長もAGA児に比べ悪いため胎生皮質分泌が低下している可能性が示唆された。 34-36週まで成長すれば臨床的には副腎機能として問題はないが、さらに早産の場合、体重が小さいことで永久皮質からのコルチゾール分泌も低下する可能性を見出した。また、のからAGA見とSGA日は1のとして比較しなければならないこと、出生体重と在胎週数ではステロイド分泌には在他週数の寄与が大きいことが判明した。以上から、超早産児の副腎機能を検討するにあたりAGA、SGAは別個に考えなければならないことが確認された。
|