2011 Fiscal Year Annual Research Report
血中ステロイド一斉測定および病理組織検体を用いた超早産児の副腎機能の検討
Project/Area Number |
20790772
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三輪 雅之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30383855)
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Keywords | 副腎機能 / 早産児 / 超低出生体重児 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で胎生皮質ステロイドは出生体重よりも在胎週数に強い相関があること、早産児と正期産児では出生後のステロイド分泌の分泌パターンは同様であるが、その分泌濃度に違いがあることが確認されていた。 今年度は早産児の在胎週数に対する出生体重、母体へのステロイド投与、出生後のステロイド投与などの条件をそろえた上で、ドル早産児を在胎週数別に3週毎(25-27週、28-30週、31週-33週、34-36週)に層別化し、これらと正期産児の日齢4の時点でのステロイドホルモン分泌の比較を行った。その結果、早産児では在胎週数が若い程、(1)胎生皮質分泌濃度は高値になる、(2)170Hpregnenoloneを170HPに変換する3βHSD活性が低いにも関わらず170HP濃度は高値になる、(3)交差反応のため偽高値を示すと考えられていた早産児の170HPは実際に高値が判明した。そして(1)-(3)にも関わらず、血清コルチゾール値は早産児では低い傾向があることを発見し、早産児の副腎皮質機能は低いことが判明した。 さらに在胎週数別にアルドステロン分泌の比較を行った。アルドステロン分泌は31週以降の早産児よりも30週以下の早産児で高値をとることが判明した。 以上の研究から早産児の副腎皮質機能は正期産児と比較し、かつ在胎週数が若い程低いことが判明した。また、早産児であっても副腎皮質機能は低いままではなく、胎外環境では胎内と異なるスピードで成熟していくという仮説が考えられた。
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