2008 Fiscal Year Annual Research Report
内因性NO合成阻害物質を介する動脈管収縮の分子機構:遺伝子改変マウスを用いた検討
Project/Area Number |
20790778
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
梶本 英美 Kurume University, 循環器病研究所, 研究員 (50349700)
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Keywords | 動脈管 / 血管内皮 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
ラット胎児の動脈管切片の作成 : 動脈管は胎内では開存しているが、出生後、呼吸の開始とともに収縮が始まる。動脈管の閉鎖機序を調べるためには開存したままの動脈管(妊娠19日目と21日目)と閉鎖後(22日目)の動脈管を調べる必要がある。まず、ラットの胎児を帝王切開で娩出後、動脈管そのものを切り出した。しかし、径200-300μmと非常に小さく、パラフィンブロック、凍結ブロックともに困難であり、動脈管の形態を保ちながら切片を作成することは難しかった。その後、胎児を娩出後、直後に全身凍結ブロックを作成し、切片を作成した。動脈管の同定が難しかったが、連続切片を作成することにより、形態を保ったままの動脈管のスライスを作成することが出来た。全身凍結ブロック法では、組織が大きいこともあり、血管壁に結晶が出来てしまう問題があったが、凍結時の温度を調整することにより軽減できた。EVG染色により、動脈管の閉鎖過程を組織学的に示すことが出来た。 血管内皮機能におけるADMAの役割 : 血管内皮細胞においてAsymlnetric dimethylarginine(ADMA)がいかにNOSを抑制しているか不明な点が多い。ヒト血管内皮細胞培養にADMAを投与したところ、eNOSのactive formであるp-eNOS(Serll77)を低下させた。 動脈管収縮におけるDDAHの変化 : 動脈管の閉鎖機序の一つとしてNOSの関与が言われている。ADMAの代謝酵素であるDDAH(dimethylarginine dimethylaminohydrolase)の発現量を蛍光染色で調べた。DDAHは、血管内腔に面して発現していたが、予想に反し、DDAHの発現量は成熟とともに増加した。動脈管の成熟に関与している可能性が示唆された。
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