2009 Fiscal Year Annual Research Report
内因性NO合成阻害物質を介する動脈管収縮の分子機構:遺伝子改変マウスを用いた検討
Project/Area Number |
20790778
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
梶本 英美 Kurume University, 循環器病研究所, 助教 (50349700)
|
Keywords | 動脈管 / 血管内皮 / 一酸化窒素 / 遺伝子 |
Research Abstract |
1) ラット胎児の動脈管切片の作成:動脈管は胎内では開存しているが、出生後、呼吸の開始とともに収縮が始まる。動脈管の閉鎖機序を調べるためには開存したままの動脈管(妊娠19日目と21日目)と閉鎖後(22日目)の動脈管を調べる必要がある。まず、ラットの胎児を帝王切開で娩出後、動脈管そのものを切り出した。その後、胎児を娩出後、直後に全身凍結ブロックを作成し、切片を作成した。 2) 血管内皮機能におけるADMAの役割:血管内皮細胞においてAsymmetric dimethylarginine(ADMA)がいかにNOSを抑制しているか不明な点が多い。ヒト血管内皮細胞培養にADMAを投与したところ、eNOSの活性化を低下させた。 3) 動脈管収縮におけるDDAHの変化:動脈管の閉鎖機序の一つとしてNOSの関与が言われている。ADMAの代謝酵素であるDDAH(dimethylarginine dimethylaminohydrolase)の発現量を蛍光染色で調べた。DDAHは、血管内腔に面して発現していたが、予想に反し、DDAHの発現量は成熟とともに増加した。動脈管の成熟に関与している可能性が示唆された。 4) ラット胎児の動脈管を、未熟児(妊娠19日目)、満期(21日目)、出生後(22日目)に取り出し、RNAを抽出し、約3万個の遺伝子解析を行った。対象は、大動脈の遺伝子量の変化と比較した。結果を、DAVID Bioinformatics Resourcesを用いて解析した.糖代謝、細胞周期、細胞死との関連を示すことができ、今後の動脈管研究の道しるべとなる結果を得ることが出来た。
|