2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790785
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水芦 政人 Tohoku University, 病院, 助教 (20400369)
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Keywords | 樹上細胞 / ハプテン / チオール基 / ER stress |
Research Abstract |
ハプテンによる樹状細胞活性化の過程において細胞表面のチオール基が変化するかどうかを検討するため、ヒト単球由来樹状細胞を代表的ハプテンであるdinitrochlorobenzen(DNCB), NiCl2, formaldehyde, 一時刺激性物質SDSで刺激し、2時間後に細胞表面のチオール基結合蛍光標識であるAlexa fluor 488 C5 maleimide(AFM)とanti-phospho-p38MAPK抗体で染色してフローサイトメトリーで陽性細胞数、蛍光強度を測定した。その結果、DNCB, NiCl2, formaldehydeにより、生存率50-100%の濃度で細胞表面のチオール基は有意に減少した。一方SDSでは細胞表面のチオール基の有意な減少は認められなかった。また、その結果はp38MAPKのリン酸化と相関が認められた。この結果は細胞内レドックスと細胞表面チオール基の変化が相関することを示すものであった。 次に、細胞表面チオール基の減少が樹状細胞の活性化に与える影響を検討するため、膜非透過チオール基酸化試薬であるo-phenanthroline copper complex(CuPhen)でヒト単球由来樹状細胞を刺激したところ、細胞表面のチオール基の減少とp38 MAPKのリン酸化に加えて、樹状細胞の活性化が認められた。具体的には樹状細胞が発現しているCD83,CD86,HLA-DRなどの共刺激分子の発現の上昇がフローサイトメトリーで確認され、刺激後の樹状細胞から回収したRNAを用いたreal-time PCRによりIL-8のmRNAの発現の上昇とアクアポリン3のmRNAの発現低下が認められた。 一方、我々は、ハプテン刺激によりER stressが誘導されるかを、ER stressが誘導された際に生じるXBP-1mRNAのsplicing variantをreal- time PCRで定量する方法で検討したところ、代表的なハプテンであるNiCl2、DNCBでXBP-1のsplicing variantの生成が確認された。このことは、ハプテン刺激による樹状細胞活性化にER stressも関与している可能性を示している。
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Research Products
(2 results)