2008 Fiscal Year Annual Research Report
真皮線維芽細胞から部位特異的に分泌される蛋白の機能解析
Project/Area Number |
20790789
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
安田 正人 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (10451709)
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Keywords | 真皮線維芽細胞 / 掌蹠 / 口腔粘膜 / 表皮角化細胞 |
Research Abstract |
皮膚は体の部位により様々に異なる生化学的特性や組織学的構造を呈している。近年、真皮線維芽細胞が体の部位により、その形質を変化させ、体の部位毎の皮膚の違いに影響を与えていることが明らかとなってきている。これまでにサブトラクション法やマイクロアレイ法を用いて、躯幹や掌蹠、口腔粘膜の線維芽細胞における遺伝子発現の違いを解析し、各々の線維芽細胞から部位特異的に、あるいは優位に発現する因子を同定してきた。 その中で、シグナルペプチド、表皮成長因子(EGF)モチーフを有し、掌蹠と口腔粘膜各々に特異的に発現する2つの因子について検討を進めた。これら2つの蛋白は未だ機能が明らかになっていないが、真皮線維芽細胞から部位特異的に分泌されることで、表皮の分化や付属器の発生などに関与する可能性があり、その機能解析は部位毎の皮膚の構造の違いを生み出す機序を明らかにするとともに、部位特異的に生じる皮膚疾患の病態解明や部位による創傷治癒の違い・癌の制御など実際の医療の現場に多大な貢献をもたらすと考えられる。 掌蹠に特異的に発現する因子についてはポリクローナル抗体を作成し、蛋白レベルにおいても、掌蹠線維芽細胞で特異的に発現していることをウェスタンブロット法で確認した。現在、表皮角化細胞に各々の因子を強制発現させることにより、リアルタイムPCR法やウェスタンブロット法、免役組織化学法などを用いて、その機能を解析している。
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