2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790801
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福永 淳 Kobe University, 医学研究科, 助教 (10467649)
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Keywords | 皮膚樹状細胞 / 表皮ランゲルハンス細胞 / 真皮樹状細胞 / 接触過敏反応 / 紫外線免疫抑制 |
Research Abstract |
マウス紫外線照射免疫抑制モデルにおいて表皮ランゲルハンス細胞の免疫抑制性特性の検討を行った。UVBを照射後表皮ランゲルハンス細胞は経時的に減少し、所属リンパ節では経時的に増加した。同時に接触過敏反応はランゲルハンス細胞の所属リンパ節での増加と相関して経時的に抑制された。そのため紫外線照射後のリンパ節から表皮ランゲルハンス細胞と真皮樹状細胞を回収し未処理のマウスに転嫁したところ表皮ランゲルハンス細胞を転嫁したマウスでのみで接触過敏反応が減弱した。これらの観察より紫外線照射後においては真皮樹状細胞ではなく表皮ランゲルハンス細胞が免疫制御性細胞として働く事が示唆された。今後ランゲリン-DTR-EGFPマウスを入手し、一時的にランゲルハンス細胞欠損状態を作製し、紫外線免疫抑制において重要な皮膚樹状細胞サブセットの検討を詳しく行う予定である。 FITCは接触過敏反応を誘導できるハプテンとしての側面と蛍光色素として細胞の動態を観察するのに役立つ側面を有する。このFITCをマウスに塗布し所属リンパ節へと遊走した真皮樹状細胞とランゲルハンス細胞の抗原提示細胞としての役割をOVAペプチドとOT-IIマウスCD4陽性T細胞との共培養で観察した。ランゲルハンス細胞と比較して真皮樹状細胞は有為にCD4陽性T細胞の増殖を促した。さらにPAF欠損マウスではハプテン塗布後のランゲルハンス細胞の遊走が減弱する一方真皮樹状細胞の遊走は正常であること、このマウスでの接触過敏反応が正常であることを観察した。以上の結果より接触過敏反応の誘導においてはランゲルハンス細胞よりも真皮樹状細胞が必須の役割を果たすことが示唆された。
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