2009 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球系悪性腫瘍に対するHDAC阻害剤の不応性のメカニズムと予測因子の解析
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20790802
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤井 一恭 Okayama University, 病院, 助教 (70452571)
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Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / プロテオーム / 2D-DIGE |
Research Abstract |
(1) ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)に対する感受性を予測する分子を同定するために、リンパ球系悪性腫瘍の細胞株に対するHDACiの増殖阻害濃度を測定し、我々が構築した蛍光標識二次元電気泳動(2D-DIGE)の発現プロファイルのデータベースと比較することにより、HDACiに対する感受性に相関する分子を同定した。まず37種のリンパ腫由来の細胞株を用いて、HDACiの1種であるバルプロ酸に対するIC50をXTT法を用いて同定した。72時間刺激後のIC50は0.2mMから6.0mMで、平均は1.6mMであった。バルプロ酸に対するIC50のデータと、2D-DIGE上のタンパク質スポットのデータベースを比較検討したところ、データベース上の389スポットのうち30スポットがSpearmanの順位相関係数rsで優位差ありと判断された(p<0.05)。このうち高感受性群(IC50<0.5mM)と不応群(IC50>3.0mM)との間で発現に2倍以上発現に差があった5タンパク質スポットについてwestern blotやreal-time PCRでその発現を確認中である。(2) 上記の研究過程で現在治療法の確立していないEBウイルス関連NK細胞腫瘍由来の細胞株がバルプロ酸に対して高感受性であり、そのメカニズムとしてp21WAF1やcyclin Eの発現の亢進、cyclin D2、CDK4、c-mycの発現の減弱によりG1期での細胞周期の停止を認めることを明らかにした。
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Research Products
(14 results)