2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790803
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白藤 宜紀 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90423285)
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Keywords | ヒトβデフェンシン-3 / アルギニン / 黄色ブドウ球菌(4)緑膿菌 / 塩抵抗性(6)MRSA / メタロβラクタマーゼ産生緑膿菌 |
Research Abstract |
ヒトβデフェンシン-3(HBD-3)は、他のヒトβデフェンシンと比べ、ダラム陰性菌のみならず黄色ブドウ球菌などのグラム陽性球菌に対しても高い抗菌作用を有しており、また、塩の存在下でも抗菌作用を保持しているが、HBD-3の構造中のいずれに依存して発現されているものかに関しては、これまで詳細な検討はなされていない。HBD-3はC末端に、他のHBDにはない2ヶのアルギニン残基を有しており、この部位がHBD-3の強力な抗菌活性に寄与している可能性について研究を行うため、我々は、平成19年度までにクローニングを終えていた全長HBD-3を元に、平成20年度には前述のC末端アルギニンを除去したHBD-3(desR HBD-3)のcDNAを作成、クローニングを行い、HBD-3と同様にpET28a systemを用いてそれらのHis-Tag fusion peptideを合成し、Factor XaにてHis-Tagを切断、RP-HPLCにて精製することに成功した。HBD-3とdesR HBD-3の抗菌活性を検討したところ、desR HBD-3では、グラム陰性菌である緑膿菌に対しての抗菌活性は保たれているが、グラム陽性菌である黄色ブドウ球菌に対しての抗菌活性は、ヒトβデフェンシン-2と同等のレベルにまで低下しており、C末端のアルギニン残基がHBD-3の広域な抗菌活性を決定する因子であることが示唆された。今後さらに、これらのアルギニン残基がHBD-3の有する塩抵抗性やサイトカイン・ケモカイン分泌促進作用に関連しているかどうかの検討を行っていく予定である。 また、HBD-3の抗菌活性の測定に関しては、野生型の黄色ブドウ球菌や緑膿菌などだけではなく、MRSA, メタロβラクタマーゼ産生緑膿菌など多剤耐性菌に対する抗菌活性作用の測定も行い、これら多剤耐性菌に対してもHBD-3は強力な作用を有することを明らかとした。
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