2008 Fiscal Year Annual Research Report
なぜエピプラキン欠損時に表皮細胞遊走能が亢進するのか?
Project/Area Number |
20790807
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 瑞生 Oita University, 医学部, 助教 (70433050)
|
Keywords | エピプラキン / 自己抗原 / 自己免疫性水疱症 / 表皮細胞 / ケラチン / 創傷治癒 |
Research Abstract |
エピプラキンは、自己免疫性表皮下水疱症の自己抗原として同定された表皮細胞内分子であり、その一次構造ならびに遺伝子構造は既に明らかになった。さらにスロットプロット・アッセイを用いたin vitro相互作用の実験からエピプラキンは、ケラチン、ビメンチンとの相互作用することが明らかになった(J Dermatol2006)。エピプラキン欠損マウスを作成、マウス背部に皮膚欠損を作成し、その治癒過程を比較したところ、欠損マウスの方がやや早い上皮化を認めた。真皮の収縮と表皮細胞の増殖による影響を除くために、マイトマイシンC処理後に表皮器官培養を行い、表皮細胞の遊走能を比較したところ、エピプラキン欠損マウス由来の表皮細胞が、野生型に比べて有意に長い遊走能を示した。 今回このメカニズムを解明するために、ケラチン量と種類が表皮細胞よりも少なく、より変化が現れやすいHeLa細胞を用いて解析することとし、エピプラキンのノックダウンの基礎的条件検討を行なった。エピプラキンの特異配列を参考にsiRNAと対照RNAを合成し、リポフェクトアミンを用いてHeLa細胞に導入した。その効果を免疫ブロット法でモニターしたところ、エピプラキン発現の減少傾向が見られた。今後はこの系を用いて遊走実験を行なう予定である。また救済実験のために、マウスのエピプラキン配列のカルボキシ末端側約2分の1をGFP発現ベクターに組み込み、それを導入する実験もHeLa細胞を用いGFPの螢光をモニターして行ったが、導入には成功しなかった。
|
Research Products
(1 results)