2008 Fiscal Year Annual Research Report
事象関連電位(ガンマ帯域解析)による統合失調症のセルフモニタリング異常の検討
Project/Area Number |
20790832
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 剛 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 助教 (00456120)
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Keywords | 統合失調症 / 事象関連電位 / セルフモニタリン |
Research Abstract |
統合失調症の病態生理において、認知機能障害の重要性や基盤となる脳構造異常が明らかとなりつつあるが、その認知機能の根幹としてセルフモニタリング機能がある。セルフモニタリングとは認知機能や運動機能の基盤となる機能であり、予定された行動を完了させるために必要な細かな修正を円滑に行う機能を担っている。ここ数年、統合失調症患者におけるセルフモニタリングの障害が報告されている。セルフモニタリングを反映する脳機能のひとつとしてcorollary discharge(随伴発射)がある。 本研究は、統合失調症患者を対象に、神経生理学的手法である事象関連電位を用いて、認知機能障害の根幹に関わるセルフモニタリングの異常を、特にセルフモニタリングを反映する脳機能のひとつであるcorollary dischargeシステムに着目し検証するものである。時間周波数解析などの斬新な方法を用いて、脳内の神経同期活動などを含めて解析をおこなう。さらに、分子遺伝学的基盤の解明、また、てんかん患者において硬膜下電極を留置し、皮質マッピングという極めて意義の高い方法をとり、セルフモニタリング機能の脳部位を確定することを目標とする。 初年度は統合失調症におけるセルフモニタリング異常の確定を行うことを目標としており、引き続きそれらのデータの取得を行い、解析をすすめる。てんかん患者においては、東大病院脳外科が非常によく協力してくださっているが、まだ現在のところ数例に対して他の事象関連電位課題を施行したのみである。引き続き連絡を密に取り合い、記録を行いたいと考えている。
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