2009 Fiscal Year Annual Research Report
レビー小体型認知症とレム睡眠行動障害の関連と神経基盤の解明
Project/Area Number |
20790837
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 浩祥 Osaka University, 保健センター, 講師 (00303785)
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Keywords | レム睡眠行動障害 / 睡眠時随伴症 / 終夜睡眠ポリグラフ検査 |
Research Abstract |
平成21年度は、平成20年度に引き続き、現時点でレム睡眠行動障害(RBD)に罹患している対象者について、問診・身体診察上RBDが疑われた患者を本研究の対象者としてエントリーを行った。RBDの確定診断を行うために、新規の対象者については、睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)の基準にのっとり、ビデオ同時記録を伴う終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)による評価を行った。 また、RBDスクリーニングスケール(RBDSQ日本語版)、認知機能検査(MMSE)、認知症重症度評価(CDR)、パーキンソニズム症状評価(UPDRS)、脳形態画像等の背景因子のデータ蓄積を行った。これらの結果からは、最終的にRBDと診断された今年度の対象者は、すべて現時点では特発性RBDであり、明らかな症候性RBDの患者は認められなかった。しかし、本研究への同意は得られていないため、研究対象者とはなっていないものの、明らかなパーキンソン症状がRBD診断当初には認められなかった患者において、パーキンソン病へ進展が認められるケースが存在した。一方、対象者は年齢層が高くなる傾向があるため、脳形態画像結果からは、軽度の脳虚血変化等が認められ、RBDの中でも脳器質性変化のない特発性RBDと同定するための基準について再検討を要する面が研究遂行上考えられた。 本研究では、特発性RBDの縦断的な追跡調査を行うことにより、パーキンソン病やレビー小体型認知症などを含むαシヌクレイノパチーを発症する危険因子の同定をすることを目的としており、今年度に評価された特発性RBD患者の今後の経過評価および対象者の追加を来年度も引き続き行い、αシヌクレイノパチーへ進展する患者の背景因子を縦断的に明確化することとする。
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Research Products
(3 results)