2008 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いた精神疾患におけるドーパミン機能解明に向けた受容体密度の迅速測定
Project/Area Number |
20790839
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
生駒 洋子 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 特任助教 (60339687)
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Keywords | PET / ドーパミン / 受容体 / 結合能 / [^<11>C]racloride / 複数回投与法 |
Research Abstract |
PETを用いたドーパミン機能の測定は、精神神経疾患の病態解明に有用であると期待されている。しかし、受容体密度の測定には、投与する放射性薬剤の比放射能を変えた複数回のPET検査が必要であり、臨床応用においては検査時間の長さが問題であった。そこで、1回の検査で複数回の放射性薬剤投与を行う複数回投与法を用い、短時間で簡便に受容体密度を測定する新しい手法を開発し、[^<11>C]racloprideを用いたドーパミンD_2受容体密度の測定を対象に、測定プロトコルの確立、提案手法の妥当性の評価を行った。 まず、シミュレーションによって[^<11>C]lracloprideの投与量やスキャン時間と受容体結合能(BP)の関係を調べ、モル数を変えて50分間隔で3回のraclopride連続投与を行うプロトコルを確立した。次に、この測定プロトコルを用いて実測の時間放射能曲線(TAC)を模したシミュレーションTACを作成し、モデル解析によって得られたBP値の変化と特異結合しているraclopride濃度から受容体密度を推定し、推定値と真値を比較して推定精度を評価した。その結果、提案手法による受容体密度の推定値は真値に比べやや過大評価されたが、推定値と真値は良い相関を示した。また、提案手法によって[^<11>C]racloprideを用いたサルのPET検査を行ったところ、得られた受容体密度は従来法による値と類似しており、本手法の妥当性が確認された。 本手法により、従来数日かかることもあったドーパミンD_2受容体密度の測定を150分で行うことが可能となった。
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Research Products
(2 results)