2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症疾患候補遺伝子DISC-1はカリリンを制御しシナプスを維持する。
Project/Area Number |
20790840
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高木 学 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60452570)
|
Keywords | DISC-1 / 統合失調症 / カリリン / シナプス / セントロソーム |
Research Abstract |
はじめに、DISC-1とKalirin 7の結合を免疫沈降法により結合部位を含めて調べた。Kalirin 7はRacl GEFとしてアクチンの再構築に関与しておりLamellipodia(硝子化)の形成に関与する。そこで、培養細胞を用いて蛍光免疫染色を行うことで、DISC-1がこのKalirin 7の機能を阻害することを突き止めた。この結果を、Racl activation assayを用いて、Kalirin 7のRaclの活性化作用をDISC-1が抑制することを生化学的にも確認した。また、このDISC-1のKalirin 7のRacl GEF機能の阻害作用は、Kalirin 7とRaclの結合をDISC-1が阻害することによってなされることを突き止めその機序を解明した。また、ラット大脳皮質のプライマリーカルチャーニューロンを28日in vitroで培養し、その樹状突起スパインにもDISC-1が存在しKalirin 7と蛍光免疫染色にてco-localizeすることが分かった。DISC-1は細胞の核、中心体、樹状突起、スパインとその神経発達時期に応じて分布している。最近、統合失調症の疾患候補遺伝子として注目されるようになってきているPericentriole materiall(PCM1)やBardet-Bedel syndrome(BBS)タンパクともDISC-1は結合している。このBBSタンパクが中心体にのみではなく、樹状突起、スパインにも分布することを突き止めた。今後、DISC-1の神経発達の段階における分布の変化と機能解析を、Kalirin 7、PCM1、BBS4、r-tubulinなどの細胞骨格タンパクとの関係を通して、RNAiやグルタミン酸系の刺激薬や阻害薬などを使用して、中心体、樹状突起、スパインにおいて更に解析していく予定である。
|