2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790846
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上野 雄文 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 特別教員 (00441668)
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Keywords | MRI / 脳 / 画像処理 / 数学 / 統計 / 精神疾患 / 統合失調症 / 気分障害 |
Research Abstract |
Philips製の3TMRIスキャナーにて健常者10名の頭部MRI画像を撮影した。撮像方法は通常臨床で使用されるスピンエコーの構造画像を用いた。被験者には書面にて研究内容を告知し、書面にて同意を得ている。なお、この研究は九州大学大学院医学研究院倫理委員会の承認を得ている。 まずDell製パーソナルコンピューター上でMRI画像を表示しトリミングができ、無償で公開されているMRIcroソフトウェアを用い、手動での組織分離を行った。この作業の記録は元の構造画像のインテンシティを保ったまま、頭蓋骨内部のものとそれ以外のものに分け、ハードディスク上に画像記録上一般的なINT16イメージのファイルとして記録した。これらの画像をMATALBに読み込み、画像の強度をヒストグラムに表示した。その上で分離のアルゴリズムを検討するためにラプラシアンフィルターなどのいくつかの関数を定義し、画像のインテンシティに重ね合わせることで、分離の可能性を検討した。 脳の白質、灰白質、脳脊髄液と思われるインテンシティのヒストグラムが得られた。また、全体の重心を計算することが可能になり、ここからのユークリッド距離を変数とした重みづけを行うことができた。 MRI画像ではノイズが問題となる。インテンシティが極端に低い、または高い場合の処理が難しいということが今回の研究から理解でき、スキャナー側の改良が今後も期待される。しかしながら分離自体の可能性は残されているものと考える。今回、画像解析の準備段階としてある程度の進歩があったと考えられる。 脳画像の処理の難しさを実感することとなったが、MRIスキャナーからのデータの読み込み解析の準備段階は整ったといえる。ラプラシアンフィルターなどの微分幾何学的作用素を画像処理に持ち込むことが可能になったが、まだ自動処理には至っていない。今後の発展が望まれる。
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Research Products
(3 results)