2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナビゲーションガイド下経頭蓋磁気刺激の気分障害への治療応用と治療反応性の予測因子
Project/Area Number |
20790854
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中村 元昭 Yokohama City University, 医学研究科, 客員研究員 (50464532)
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激法 / 気分障害 / ニューロナビゲーション / 前頭前野 / 神経可塑性 / 灰白質体積 / 薬物治療抵抗性 / ニューロモデュレーション |
Research Abstract |
目的:薬物治療抵抗性の気分障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の安全性と有効性を検討する。高解像度MRIを用いて、rTMS前後での脳形態の変化を調べる。 方法:単極性及び双極性のうつ病を対象として、rTMSを計10セッション施行。刺激頻度は20Hz又は1Hzで、刺激強度は安静時運動閾値の90-100%、週の総パルス数は5000とした。頭部MRIと超音波によるナビゲーションを用いて前頭前野背外側面を刺激した。有効性の検討はハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)などを用いた。 結果:被験者19名(平均年齢:47.9±13.7、男12名、女7名)の中でrTMS開始前の平均のHAM-Dは13.2±5.4点であった。rTMS終了後のHAM-D平均値は7.4±5.2点で、治療前後で50%以上の改善を認めた群は52.6%で、25%以上50%未満の部分改善群は26。3%で、25%未満の非改善群は21.1%であった。抑うつ症状の変化だけでなく、前頭葉機能の改善も認められた。重篤な有害事象や精神症状の悪化は認められなかったが、42.1%において一過性に軽度~中等度の頭皮痛を認めた。rTMS前後の脳形態変化においては、刺激部位である左半球の前頭前野背外側面(ta=12.44,p<0.0001)を中心として左半球の海馬(t_5=6.06,p=0.001)などにおいても灰白質体積の増加が認められた。 結論:サンプル数は未だ十分でないがrTMSの安全性と有効性が示唆された。rTMS後の灰白質体積の増加はrTMSによる神経可塑性変化を示唆する所見であり、抗うつ効果発現との関連が示唆された。
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Research Products
(2 results)