2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の神経回路網の機能障害に対する連続経頭蓋磁気刺激の効果の検討
Project/Area Number |
20790855
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
奥村 匡敏 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (00464678)
|
Keywords | 統合失調症 / 経頭蓋磁気刺激 / 幻聴 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、1)脳機能画像研究では幻聴体験時に一致した左側頭頭頂領域で脳磁図にてθ波活動を捕えた先行研究(Ishii R, Shinosaki K, Ukai S etal. 2000)を持つことから、難治性幻聴が持続している統合失調症患者への低頻度rTMSの効果の確認。2)低頻度rTMSは体性感覚高周波数振動を有意に増強させたため、gamma-aminobutyric acid(GABA)ニューロンを含む抑制系神経回路に関与するとの先行研究(Ogawa A, Ukai S, Shinosaki K et al. 2004)を持つことから、ppTMS、NIRS、DTI、PPI、SPECT、脳波、Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia、といった認知機能バッテリーによって左側頭頭頂領域への低頻度rTMSの臨床反応を解明を目指すことにある。平成20年度の研究実績は1)難治性幻聴に対して、反復経頭蓋磁気刺激を行い、幻聴の減少を目指したが、本年度終了時点では、改善には至らず、今後も検討の継続が必要である。症例報告の予定である。2)幻聴評価以外では、脳血流変化では刺激部位の血流減少、視床や基底核の血流増加、認知機能の上昇は確認できたので、統合失調症の病態研究への応用を目指した。一部は学会報告を行った。3)rTMSの健常人への刺激でのNIRSなどを用いての脳機能測定、解析を行い、刺激直後の反対側での[oxy-Hb]の低下を捕らえ、FA値との相関を検討し、学会報告予定である。4)rTMS治療前後のPPI、ppTMSなどの生理学的指標の変化を脳機能画像の変化と合せて検討中であり、その結果の一部はすでに学会にて報告しだ。
|
Research Products
(3 results)