2009 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性三量体Gタンパク質に結合するGRIN1遺伝子の脳神経系における機能解析
Project/Area Number |
20790860
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
本谷 安正 Tsurumi University, 歯学部, 助教 (60421830)
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Keywords | 三量体 / Gタンパク質 / 脳神経 / 動物モデル |
Research Abstract |
今年度はGRIN1遺伝子のSimpleノックアウト(KO)およびコンディショナルKOマウスの作製を試みた。Simple KOおよびコンディショナルKOマウスについては多数のキメラマウスを作製できコンディショナルKOマウスについてはgerm lineへの伝達が確認された。 一方、Simple KOマウスについては大部分のキメラマウスは生後1-2週間ほどで死亡し少数の特に異常なく生存したキメラマウスからはgerm lineへの伝達が確認されたが、片側の相同組み換えが不十分のため、GRIN1遺伝子の破壊が上手くできていないことが確認された。つまり、事前に予想されたとおり、相同組み換えが正しく起こったキメラマウスはGRIN1遺伝子の欠損のため死亡し、系統維持は不可能であった。現在、Cre-loxPシステムを用いてコンディショナルGRIN1 KOマウスからSimple KOマウスを作製している。 一方、GRIN3遺伝子についてはSimple KOマウスの作製を終了し、GRIN3遺伝子産物が完全に発現していないことを確認した。GRIN3はGRIN1が発現していない線条体で主に発現しているが、その欠損によりドーパミンD2受容体の発現量が半減することが明らかとなった。この知見をもとに、RNAi法によりGRIN1発現を減少させた誘導型神経性P19細胞株のGPCRの発現量を解析したところ、GABA(B2)サブユニットの発現が大幅に減少していた。このようにGRINファミリーはGPCRの安定化に関与している可能性があり、今後GRIN1 KOマウスを用いて詳細な機能解析を行う予定である。
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