2008 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける冠血管内皮機能障害の評価と有効な治療法の確立
Project/Area Number |
20790871
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
納谷 昌直 Hokkaido University, 北海道大学病院, 医員 (20455637)
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Keywords | 核医学(PETを含む) / メタボリックシンドローム / 冠血管内皮機能 |
Research Abstract |
【目的】メタボリック因子の冠血管内皮機能に対する影響を評価すること。 【方法】ウエスト径がメタボリックシンドローム診断の基準に当てはまり1つ以上のメタボリックの因子を有する患者(53.1±10.8歳、n=16)と年齢を対応させた健常人(51.4±9.3歳、n=9)を対象とした。^<15>O標識水positron emission tomography (PET)と寒冷昇圧試験を用いて非侵襲的かつ定量的に心筋血液量を測定しその変化量を冠血管内皮機能の指標とした。 【結果】患者はメタボリック因子を平均1.4±0.6つ有していた。患者群において安静から寒冷昇圧時への心筋血流量の変化量(ΔMBF)は健常人と比較して有意に低下していた(0.05±0.21vs. 0.28±0.15ml/g/min, P<0.01)。さらに、患者群においてΔMBFは血清LDL(r=-0.48, P=0.06)および酸化ストレスの指標である血清マロンデアルデヒド(r=-0.47, P=0.07)と負に関係する傾向があった。 【考案】この研究から心臓PET検査により冠動脈硬化の早期病変を定量的に評価でき、さらにはメタボリック因子が冠動脈硬化の進展に影響していることがわかった。今後、PETで測定した冠血管内皮機能を指標にして冠動脈硬化の改善を目的とした治療法について検討したい。また、より高度な冠動脈硬化を有する狭心症患者を対象にして冠動脈硬化プラークの性状や狭窄度と冠血管内皮機能障害の関係についても検討を行いたい。 【結論】メタボリック因子が冠動脈内皮機能の低下に関係することがわかった。血清LDLおよび酸化ストレスがその障害の要因であると思われた。
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Research Products
(3 results)