2009 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞未分化制御因子による放射線感受性調節機構の解明
Project/Area Number |
20790874
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 賢次 Hirosaki University, 大学院・保健学研究科, 助教 (00400143)
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Keywords | 放射線 / 細胞・組織 / 再生医学 / シグナル伝達 / 生体分子 |
Research Abstract |
昨年度の研究において,Tie-2分子の直接的な刺激は造血幹/前駆細胞の放射線感受性への作用が認められなかったことから,今年度は,Tie-2分子以外のTie-2分子と共に発現変動する分子による造血幹/前駆細胞の放射線感受性への作用を明らかにすることを目的とし,Tie-2分子の発現を誘導することが報告されている甲状腺ホルモンの作用を試験した. 全ての実験は,弘前大学大学院医学研究科倫理委員会の管理下において実施した.造血幹細胞は,協力病院において,医師から提供者およびその家族に対し,臍帯血採取に関するインフォームドコンセントを行い,分娩後安全に採取可能な場合のみに限った臍帯血から分離・精製した. 各個体から得られた造血幹/前駆細胞は,3~3000pg/mlの甲状腺ホルモンで3日間培養した.その後2GyのX線を照射し,コロニー形成法で評価したところ,300pg/mlで刺激した造血幹/前駆細胞の生存率が優位に増加することを明らかにした.しかしながら,甲状腺ホルモンによるTie-2分子の発現誘導は見られなかった. 定量的RT-PCR法にて,いくつかの発現誘導を解析したところ,放射線感受性が回復した300pg/mlの甲状腺ホルモン刺激時に酸化ストレスに関わるNF-kB分子の発現が抑制されることが見られ,甲状腺ホルモン刺激は造血幹/前駆細胞の放射線感受性を遺伝子発現レベルで変動させる可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)