2008 Fiscal Year Annual Research Report
3.0テスラ磁気共鳴画像による細分化脳容量計測と老化
Project/Area Number |
20790883
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 政実 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 診療放射線技師 (30375844)
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Keywords | MRI / 脳容積 / 認知症 / 老化 / 健常人 / エストロゲン / 閉経 / 非侵襲 |
Research Abstract |
人の脳が老化することを核磁気共鳴画像(MRI)によるvoxe1-basede morphometry(VBM)を用いて検証した論文は数多く存在し, 海馬の萎縮に関する報告も数多く存在するが, 閉経との関係を論じたものはない. 我々は, エストロゲンホルモン療法による脳神経保護作用に着目し, 閉経によるエストロゲン分泌量の低下が, 海馬萎縮に影響していることを示唆する報告を既に行った. これまでの先行研究では、直線、もしくは2次曲線などで近似して結果を分析しているため、ホルモン変化による影響やある年代に特異的に生じる現象を見つけ出すことができなかった. 我々は、先行研究に比較し非常に多い、2000例を超える健常人画像を利用することで、狭い年齢幅での解析を可能にし、先行研究では報告されていないホルモン変化による影響などを捕らえることを第1の目的とする. また, これまでの報告のほとんどがT1強調画像を用いたものであり、T2強調画像、拡散強調画像など, 異なるコントラストを持った情報を利用し, 多方向から検証することを第二の目的とする. 現時点で, 約1600名のデータベース化が終了し, 年代ごと・閉経前後を群間比較して, 海馬の容積変化をMRI-TIWI画像解析から捉えた. 閉経後において海馬の萎縮が加速されている現象を捉えたことで, 認知症患者の割合が女性に多い原因証明の一助になると考える. また, 認知機能テストの一種である指標(ミニメンタルステート検査 : MMSE, ウェクスラー成人知能検査 : WAIS)と容積の解析を終了し, 報告準備中である. それに加え, 解析手法で問題となる, 装置依存性や画像前処理に関する検討も進めている.
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Research Products
(4 results)