2009 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞免疫療法における細胞導入法に関する実験的研究:生体顕微鏡による動態解析
Project/Area Number |
20790885
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
香田 渉 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (30401920)
|
Keywords | 樹状細胞 / 免疫療法 / 癌 / IVR |
Research Abstract |
本研究課題では肝癌に対する樹状細胞療法における生体への樹状細胞導入法を用いて研究する。従来の皮下注入、経静脈的注入、局所注入と異なる経動脈的(あるいは経門脈的)注入に種々のインターベンショナルラジオロジー技術を組み合わせた細胞導入法について、生体内での導入細胞の動態を巨視的および微視的(標的細胞との関わりを含めて)に明らかにし、それにより導入細胞の標的組織へ集積率を向上させられる細胞導入法の開発を行うことを目的とする。 血管造影手技を用いた実験を行うためには、家兎を用いて樹状細胞の精製・培養、細胞標識を行うことが望ましい。そのため、樹状細胞の精製ならびに培養のための条件検討を行っているが、安定して家兎樹状細胞を精製ならびに培養する条件設定には至らなかった。また、生体顕微鏡にて肝内の血流状態を観察、記録する必要があるため、その条件検討もおこなっているが、我々が現有する生体顕微鏡での家兎肝内血流の観察が難しいことが判明した。今後、これらの条件を再検討し、家兎を用いた生体顕微鏡観察により、肝血流動態の解析、樹状細胞の動脈内注入および門脈内注入時の動態解析を行う予定であるが、技術的に観察が困難である場合には、観察可能なラットを用いた検討への変更も考慮する。また、生体顕微鏡で十分な観察が行えない場合は、樹状細胞を超常磁性酸化鉄製剤で標識し、MRIを用いて動態を観察する方法も考慮する。同時に臨床的にも多発性肝細胞癌を有する患者に対して、末梢血より単離・培養された樹状細胞を動注によって導入する治療を継続して行っていく。
|