2008 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲン受容体イメージングによる子宮腫瘍性疾患の診断に関する研究
Project/Area Number |
20790887
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
辻川 哲也 University of Fukui, 高エネルギー医学研究センター, 寄附研究部門教育職員 (30380033)
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Keywords | エストロゲン受容体 / FES-PET / FDG-PET |
Research Abstract |
エストロゲン受容体(ER)イメージング製剤である16α-[^<18>F]fluoro-17β-estradiol(FES)はestradiolへの^<18>F標識化合物である。我々は子宮腫瘍性疾患にFES-PETを初めて応用し2-[^<18>F]fluoro-2-deoxy-D-glucose(FDG)-PETによる糖代謝情報と併せてその有用性を検討したところ、良性腫瘍と悪性腫瘍との間に集積パターンの違いがあり、これらのPET検査が非侵襲的な良悪性鑑別に有用であると考えられた。(Radiology 2008) さらに子宮内膜腫瘍症例を追加し、類内膜癌22例を予後の観点から2群に分類し、High-risk群をFIGO stage〓Icまたはgrade〓2(11例)、Low-risk群をFIGO stage〓Ibかつgrade 1(11例)と定義し、内膜増殖症9例とあわせて3群間で比較した。検討指標にはFDGとFESのSUV値のほか、SUV値の比として新たに考案したFDG/FES比を用いたところ、High-risk群、Low-risk群、内膜増殖症の3群間をいずれも分別できたのはFDG/FES比のみであった(順にFDG/FES比=3.6±2.1, 1.3±0.5, 0.3±0.1)。 High-risk群とLow-risk群間の鑑別能はFDG/FES比が最も優れており、FDG/FES比2.0をカットオフ値にした場合の正診率は86%でありMRIによる臨床病期診断能(Ic以上と未満で区分)の正診率77%より優れていた。(JNM in press)子宮腫瘍性疾患は良性から悪性へ、更には悪性度が高くなるにつれエストロゲン依存性が失われ、相対的にブドウ糖代謝が亢進することが示された。 現在進行中の免疫染色ではFESの集積はERαおよびプロゲステロン受容体発現と有意な正相関を示すもののERβとは有意な相関を示していない。
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Research Products
(4 results)