2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790888
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内山 良一 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50325172)
|
Keywords | ラクナ梗塞 / MR画像 / コンピュータ支援診断 |
Research Abstract |
本研究は,重篤な脳梗塞の予防を目的とした脳MR画像におけるラクナ梗塞のためのコンピュータ支援診断(Computer-Aided Diagnosis:以下,CAD)に関する基礎研究である.無症候性のラクナ梗塞は,脳ドックでしばしば発見される.ラクナ梗塞の存在は,その後に起り得る重篤な脳梗塞との関係が示唆されているため,その検出は重要である.しかし,ラクナ梗塞は血管周囲腔拡大との鑑別が困難であるとの理由から,すべてのラクナ梗塞を正確に検出することは困難である. 本研究の目的は,ラクナ梗塞と血管周囲腔拡大の鑑別を支援するCADシステムの開発である.本年度は,高磁場(3T)のMR装置によって撮影されたT2強調画像とMRA画像の融合画像を作成する技術を開発した.ラクナ梗塞は,脳の細い血管(穿通枝)の動脈硬化によって脳の深部に生じる小さな梗塞である.ラクナ梗塞の場合は,梗塞が起きているためMRA画像では穿通枝は観察できない.一方,血管周囲腔拡大は,穿通枝の周囲の空洞であるため,MRA画像で穿通枝は観察される.高磁場のMR装置を用いれば,穿通枝の情報を観察できることから,この情報を活用すればラクナ梗塞と血管周囲腔拡大の鑑別は容易になる.本研究によって作成した融合画像を用いた場合,血管周囲腔拡大の症例においてT2強調画像の陰影から穿通枝が垂直に伸びていることが確認された.読影医の評価において,診断支援に利用できる有用性を確認した.低磁場(1.5T)及び高磁場(3T)のMR装置から得たそれぞれのMR画像における診断支援システムに関するこれまでの研究成果を論文にまとめるとともに学会で発表を行った.
|
Research Products
(5 results)