2008 Fiscal Year Annual Research Report
代謝的多様性に基づくがんの質的核医学診断のための多角的分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
20790890
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天滿 敬 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (90378787)
|
Keywords | がんの多様性 / 酸素代謝 / 低酸素 / 分子イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、ポジトロン断層撮像法(PET)を用いてがんにおける酸素代謝率のインビボ定量測定法を開発するとともに、HIF-1の低酸素下安定化機構を薬剤設計に応用したがんの生物学的低酸素領域を特異的にイメージングできる薬剤を開発し、両者を組み合わせることで、がんの低酸素領域における多様性をエネルギー代謝の観点から解明することにより臨床診断に展開する基盤を創製することにある。そこで、平成20年度は以下の課題を遂行した。 1)放射性ガス吸入システムの構築 : 麻酔下ラットに気管挿管を行い、血圧・心拍等をコントロールした状態で安定的に^<15>O-O_2ガスを供給できるシステムを構築した。 2)担がんラットの作製 : 性質の異なる複数のがん細胞(C6 glioma、MRMT-1、Walker-256)を用いた皮下移植担がんラットを作製した。 3)放射標識法の確立 : 放射性ヨウ素標識ビオチン誘導体とストレプトアビジン化低酸素安定化タンパク質(PCOS)を反応させることで放射性ヨウ素標識PCOSの作製に成功した。 4)体内動態検討 : 放射性ヨウ素標識PCOSめ正常ラットおよび担がんラットにおける体内動態を臓器摘出法により調べ、腫瘍へ経時的に放射能が集積することを示した。 以上、本研究課題はほぼ計画通り順調に進行している。今後、がんにおける酸素代謝率の定量、および、プレターゲティング法による生物学的低酸素イメージングを実施することにより、がんの質的核医学診断のための新たな分子イメージング法としての有効性を調べる予定である。
|