2009 Fiscal Year Annual Research Report
^<17>OMRS/MRIによるマウス腫瘍酸素代謝速度計測
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20790893
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楢崎 美智子 Kyoto University, 情報学研究科, 特定研究員(科学技術振興) (10467459)
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Keywords | 核磁気共鳴画像(MRI) / 多核種 / 酸素代謝 |
Research Abstract |
MRIにおける非侵襲敵な酸素代謝速度計測法の確立に向け、初年度は高感度^<17>O核MRS/MRI測定法の検討を行った。本年度はさらに測定法の定量性の確認および、^<17>O濃縮ガス吸入実験による酸素代謝計測を行った。^<17>O水量の異なる複数のphantomを用い信号強度を測定したところ、本実験での画像測定法として採用したFISP法およびスペクトル測定法による信号強度は^<17>O水と比例関係にあり、得られた信号強度が^<17>O水量を反映することが確認された。濃縮^<17>O酸素ガスを腫瘍マウスに吸入させたところ、^<17>O画像および全身の^<17>Oスペクトル信号強度の上昇が認められた。これは酸素代謝によって生成された^<17>O水を捉えたものであり、2.5mm^2の空間分解能の画像でマウスの体内の酸素代謝現象を描出することが出来た。50%の濃縮^<17>O酸素ガス2分の吸入時間に対し腫瘍や脳においてそれぞれ1.3倍、1.2倍の信号強度上昇が認められたが、これは1~2μmol程度の^<17>O水の生成に相当する。画像測定後に摘出臓器のスペクトル測定によってさらに生成量の検証を行ったが、画像の信号強度に見合ったものであった。またこれらの数値は文献値から予測された範囲内にあり、本実験法の有用性が示唆された。本法は非侵襲的に安定同位体、汎用のMRI測定法を用いて測定を行うことが出来、またMRI装置の高磁場化が進む状況において多核種測定の実用性が高まることが予測されるが、その応用法を示したものとして意義がある。
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