2008 Fiscal Year Annual Research Report
[C-11]ベンジルアセテートのグリア代謝マーカーとしての有用性の評価
Project/Area Number |
20790895
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桃崎 壮太郎 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (30379268)
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Keywords | ベンジルアセテート / グリア代謝 / ラット / 脳内動態 / PET |
Research Abstract |
平成20年度は主として[C-11]ベンジルアセテートの標識合成法(合成条件、分離条件)について検討を行った。標識合成は、まず標識前駆体として[C-11]CO_2から[C-11]塩化アセチルを合成し、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中でベンジルアルコールと反応させた。高速液体クロマトグラフィーを用いて反応溶液から目的物である[C-11]ベンジルアセテートを分取した。合成時間、放射化学的純度、放射能量いずれも良好な結果が得られ、標識合成法の確立に成功した。 次に得られた[C-11]ベンジルアセテートについて、正常ラットの脳内動態を動物用PETカメラで計測した。まずラット腹腔内に抱水クロラール(400mg/kg)を投与し麻酔した。麻酔薬投与から約15分後に尾静脈より[C-11]ベンジルアセテート(約40MBq)を投与して投与直後からPET撮像を行った。PET計測の結果、[C-11]ベンジルアセテートは脳全体に極めて高濃度に取り込まれることが判明しの約2.3%injected dose/mL)、さらにこの取り込み値はこれまでに我々が報告した[C-14]ベンジルアセテートの結果と極めてよく一致していた。 以上、平成20年度は[C-11]ベンジルアセテートの標識合成法の確立及び正常ラットにおける脳内動態の計測に成功したので、次年度は計画通り入力関数の測定を実施し、定量解析法の確立を目指す。またグリア代謝抑制モデルラットや脳虚血モデル等の病態モデルラットにおける[C-11]ベンジルアセテートの脳内動態をPET計測して[C-11]ベンジルアセテートのグリア代謝マーカーとしての有用性を評価する。
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