2009 Fiscal Year Annual Research Report
[C-11]ベンジルアセテートのグリア代謝マーカーとしての有用性の評価
Project/Area Number |
20790895
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桃崎 壮太郎 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (30379268)
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Keywords | ベンジルアセテート / グリア代謝 / ラット / 脳内動態 / PET |
Research Abstract |
平成21年度は当初の研究計画通り、主として[C-11]ベンジルアセテートのラット脳内動態に関してPositron Emission Tomography(PET)による計測を実施し定量解析を行って[C-11]ベンジルアセテートのグリア代謝マーカーとしての有用性を評価した。[C-11]ベンジルアセテートの標識合成及び分離・精製は平成20年度に確立した方法を用いた。 まずグリア代謝抑制モデルラットはラット脳の片側線条体にグリア代謝抑制剤であるフルオロクエン酸(FC)を微量注入して作成した。FC注入4時間後に尾静脈より[C-11]ベンジルアセテートを投与して動物用PETでダイナミックデータを収集した。入力関数の測定は[C-14]ベンジルアセテートを用いて実施し、定量解析に用いた。実験の結果、FC注入側線条体における[C-11]ベンジルアセテートの取り込みは顕著に低下することが撮像全時間の加算PET画像で認められ、本標識化合物がグリア代謝変化に対して鋭敏に反応することを定性的に確認した。さらにPET計測で得られた動態曲線にコンパートメントモデルを適用させ先述の入力関数を用いて定量解析を行った結果、k_3値の低下を認め、グリア代謝変化に対する[C-11]ベンジルアセテートの取り込み低下を定量値として算出することにも成功した。 以上、本研究の実施で[C-11]ベンジルアセテートのグリア代謝マーカーとしての有用性が確認され、臨床応用への基礎的知見を蓄積できた。
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Research Products
(4 results)