2008 Fiscal Year Annual Research Report
単色エックス線を用いた血管壁癒着性塞栓物質の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20790913
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山本 亮 Kawasaki Medical School, 医学部, 助教 (30319959)
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Keywords | 塞栓物質 / Picibanil / 血管壁癒着性塞栓 / 微小血管造影 |
Research Abstract |
内容 Group 1 : Picibanilを吸収させた炎症誘発癒着塞栓物質を用いて家兎耳介動脈を塞栓した2例。 Group 2 : 生理食塩水を吸収させた通常の塞栓物質を用いて家兎耳介動脈塞栓した2例。 上記2群について塞栓施行10日後に大型放射光より抽出される単色X線を用いて、30ミクロンレベルの血管描出を可能とする微小血管造影を生体下に行った。1撮影範囲(10mm×10mm)における塞栓物質の残存の有無、塞栓末梢血管の造影効果の程度、塞栓物質の直径以下の血管の描出の程度について評価し、2群間の塞栓効果を比較した。結果、Pidbanilを吸収させた塞栓物質を用いて塞栓した群(Group1)で上記3項目いずれの評価項目についても塞栓効果に優れていた。 意義、重要性 血管塞栓術は低侵襲性治療のひとつとして腫瘍、出血、血管性病変に対して施行される確立された治療法である。病変の性質や部位にもよるが、多くの場合はその治療効果は塞栓効果が高いほど効果的である。今回の研究の結果ではPidbanilを吸収させた炎症誘発癒着性塞栓物質が通常の塞栓物質に比べ強い塞栓効果があるという可能性が示された。理由は炎症誘発物質(Picibanil)を吸収させているため、塞栓後に塞栓物質表面より溶出されるPicibanilの炎症誘発作用により塞栓物質表面と血管壁が癒着し、強い塞栓効果を発揮するものと考えている。今回の研究ではまだ症例数(n)が少なく、断定的なことには言及できないが、血管壁癒着性塞栓物質を用いて塞栓することにより、病変によってはより治療効果の高い血管塞栓術を施行できる可能性があるという結果が示された。
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