2010 Fiscal Year Annual Research Report
あらゆる臓器に対応した呼吸同期照射を実現する四次元的最適照射法の確立
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20790917
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
橘 英伸 (財)癌研究会, 有明病院放射線治療科, 医員 (20450215)
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Keywords | 放射線治療 / 呼吸同期照射 / 動体ファントム / 最適呼吸同期照射法 |
Research Abstract |
【呼吸同期ファントムを利用した測定】 平成22年度は、平成21年度改良を行った動体ファントムシステムを利用し、呼吸同期システム無し、有りの両方でIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy,強度変調放射線治療)の測定を行なった。呼吸同期システム無しの場合に対し、有りの場合MLC(Multi-Leaf Collimator)の動きが細かい位置でのエラーが発生し、5%以上であった。ただし、線量投与を確保したいCTV(Clinical Target Volume)の範囲内では3%以内であった。したがって、CTV外での線量差が目立ち、肺野での線量差のエラーが大きくなる傾向であるが、呼吸同期照射無しでも5%以上異なる場合もあるので、十分呼吸同期照射の適応と考えられる。 【Intra-fractional Setupエラーを検出する新たな呼吸同期照射システムの開発】 Intra-fractional errorの検出を可能とするシステムの開発を行なった。今年度購入したMacBookAirを利用して、動体ファントムを利用した実験および健常ボランティアを利用した実験を行なった。動体ファントムでの実験では、振幅は設定値(10mm)に対し、0.85±0.25mm、最大1.5mm異なった。カウチ移動量(Intra-fractional error)に対し、0.15±0.5mm、最大0.8mm(設定値3mm)異なった。周期(2200msec)に対し、-5.1±13msec、最大46.1msec異なった。処理時間は58.59±23.73msecであった。AAPM TG-142ガイドラインでは、Temporal accuracy : 100ms、Positional accuracy : 2mmであり、本開発システムはガイドラインに許容できるシステムであるといえる。次に健常ボランティアの協力を得て、本開発システムおよびVarian RPMシステムを利用してIntra-fractional errorの検出能を検討した。その結果、本開発システムでは、Intra-fractional errorが1mm、2mm、3mm、5mm、10mmの時、それぞれ、67%、88%、97%、100%、100%であった。RPMでは、42%、79%、84%、96%、100%であった。本開発システムの方が検出能が高いという結果になったが、これはIntra-fractional errorの検出するためのマーカの設置位置によるものである。本開発システムは胸骨中央に、RPMでは腹部(臍と剣状突起の間)に設置したため、本開発システムのIntra-fractional errorが検出しやすくなったためであると考えられる。したがって、実際の4次元放射線治療では、本開発システムとRPMを組み合わせ、本開発システムはIntra-fractional errorの検出、RPMは実際の治療のゲートタイミングを計り、ゲート信号を送るものとして機能を分けることで、精度の高い4次元放射線治療ができるといえる。
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Research Products
(6 results)