2009 Fiscal Year Annual Research Report
高精度多剤耐性タンパク質活性測定放射性プローブの開発研究
Project/Area Number |
20790924
|
Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
菊池 達矢 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージナグ研究センター, 研究員 (90392224)
|
Keywords | 多剤耐性タンパク質 / 放射性プローブ / PET / 脳 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多剤耐性タンパク質の活性を定量測定し得る放射性プローブの開発である。なかでもP糖タンパク質(P-gp)を測定対象としたプローブの開発研究を推進した。N-フルオロエチル-4-ピペリジンメタノール(FEP-4MOH)は、血液から脳への移行は極めて低い一方、脳からは排出されることから、なんらかの排出機構の関与が強く示唆されており、なかでもP-gpの関与が有力視されていたが、前年度の検討から、ヒト乳がん耐性タンパク質(BCRP)、および多剤耐性関連タンパク質(MRPI-5)を発現(inside-out)した小胞へのFEP-4MOHの取り込みは認められず、またP-gp、BCRP、およびMRP1,2をノックアウトしたマウスにおける脳からの排出速度も野生型と同じであった。以上のことから、旨FEP-4MOHの脳からの排出はP-gp、BCRP、MRP1もしくはMRP2のどのドランスポータによるものではないことが示された。本年度では、FEP-4MOHの脳からの排出に対し低分子を輸送するmultidrug and toxin extrusion(MATE)およびピリラミントランスポータの関与について検討したが、いずれのトランスポータの関与も示されなかったことから、さらなるトランスポータの探索が必要と考えられた。FEP-4MOHの脳からの排出にP-gpが関与しないことから、P-gpを測定対象としたプローブに関しては、P-gpの基質であることが示唆される4-ヒドロキシ1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの誘導体について設計を行った。合成したイソキノリン誘導体のアルコール体について、P-gpを発現した小胞へ取り込みの検討、エステル体については脳組織中で加水分解ついて検討を進めている。
|