2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来血管内皮前駆細胞より分泌される血管平滑筋細胞の増殖・遊走性促進因子の解析
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20790927
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早川 朋子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30420821)
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Keywords | 血管外科 / 骨髄由来血管内皮前駆細胞 / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
骨髄単核球や末梢血幹細胞による細胞移植療法が、多くの大学において臨床試験が実施されており一定の成果を上げている。しかし、これらの細胞は未分化であり、また血管の種となる血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cells ; EPCs)の含有率が0.001-1%と非常に低く、純化したEPCsのみを移植に用いる方が安全かつ効率的であると思われる。しかし、EPCsは未知な点が多く残されており、安全かつ効率的なEPCs細胞移植療法を確立するためには、その作用機序を早急に解明する必要がある。研究代表者はこれまでの研究において、EPCsが分泌する因子によって血管平滑筋細胞(smooth muscle cells ; SMCs)の増殖・遊走性が促進される事を発見した。そこで、EPCsによる血管新生促進メカニズムを解明するために、EPCs由来血管平滑筋細胞活性化因子の同定とその解析を行った。 第一に、EPCsにより分泌されるSMCsの増殖・遊走性促進因子の決定を行った。比較はラット大動脈由来血管内皮細胞の培養上清(aorta endothelial cell-conditioned medium ; AoEC-CM)とする。平成20年度にはHPLCを使用したクロマトグラフィーによって蛋白を精製し、マススペクトル解析により蛋白を同定する事を予定していた。まず最初に、目的蛋白の精製のため、EPCを2X10(7)cellsを培養し、その培養上清を回収し、HPLCにより分離を行った。しかし、この培養上清は予想に反して非常に粘性が高く、HPLCのカラムに引っかかってしまい、分離が非常に困難であった。粘度を下げるために、培養上清の希釈を検討したが、分離することが出来なかった。現在、HPLCによる分離の検討と、粘度を低下させるためのEPC培養条件の検討を行っている。
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