2009 Fiscal Year Annual Research Report
移植免疫寛容におけるmiRNAの探索およびRNAi医薬を用いた免疫制御法の開発
Project/Area Number |
20790929
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北沢 祐介 Dokkyo Medical University, 医学部, 助教 (00467581)
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Keywords | 肝移植 / 免疫寛容 / 遺伝子 / miRNA |
Research Abstract |
本年度の研究では、昨年度で樹立した同種異系肝移植自然免疫寛容モデルにて、mRNA、miRNAアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析を行った。アレイの解析においては、移植後5、8、14、30、100日各ポイント(n=3)にて、経時的に採取した肝臓組織よりトータルRNAを抽出し、アジレント社のWhole Mouse GenomeオリゴDNAマイクロアレイを用いて、遺伝子発現プロファイルを解析した。発現データの二次元クラスター解析を行い、同系肝移植マウスの遺伝子発現プロファイルを比較し、さらに肝臓病理組織学、免疫染色所見、血清中生化学指標およびサイトカイン測定の結果との関連について検討した。同種異系肝移植後肝組織遺伝子発現のパターンは主に移植後5、8、14日での急性拒絶反応期と移植後30、100日での自然寛容成立後、二つのクラスターにより構成されることがわかった。急性拒絶反応期では100数個の統計学的に有意(p<0.05)に変化した候補遺伝子を見つけ、既存の免疫活性に関わる遺伝子の高発現が認められた。一方、自然寛容成立後では、200以上の遺伝子発現変化が確認出来た。既存の免疫抑制または免疫調整遺伝子の高い発現が認められた。また、同じ組織由来のマイクロRNAの解析においては、アジレント社の8x15K mouse miRNAマイクロアレイにて、その発現パターンを解析したところ、50数個のmiRNAの発現が有意に(p<0.05)変化し、mRNA発現パターンと同様に二つのクラスター形成ができ、同系肝移植と比較して拒絶期(mir-15b,34a,451,223)或は寛容期(mir-101,101b)のみ高い発現が認められた遺伝子があった。その中からより有意な変化を示した10個の2iRNAを選択し、定量RT-PCRにて、その発現をアレイでの結果の相関性を確認できた。さらに、マウスの心移植後拒絶期及び寛容期のサンプルを用いて、その発現について検討したところ、約半分のmiRNAの発現がほぼ同様な変化が示された。現在、mRNAおよびmiRNA発現プロファイルの相関性およびその意義について検討を進めている。
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Research Products
(3 results)