2009 Fiscal Year Annual Research Report
CD14+単球由来内皮様細胞によるT細胞制御法の確立と移植免疫制御への応用
Project/Area Number |
20790931
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 友加 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90432666)
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Keywords | 臓器移植 / 免疫寛容 / 内皮細胞 |
Research Abstract |
末梢血由来CD14^+細胞からT細胞寛容誘導特性を有する内皮様細胞の誘導法の確立と、寛容特性を解明するためのin vivoマウスモデルの確立を目的とした。 これまでの研究で、末梢血CD14^+細胞に各種増殖因子とともに低濃度のlipopolysaccharide(LPS)を添加し培養を行うと肝類洞内皮細胞と類似したフェノタイプを示す内皮様細胞を作出しうることを確認した。今年度は臨床使用し得る細胞の誘導を目的として、LPSの代替となりうる低/無毒性合成アナログとして、CD14の結合部位であるToll like receptor(TLR)4アゴニストのうち、LPSの免疫誘導活性の本体として認識されている合成Lipid Aやその誘導体であるMonophosphoryl lipid Aを、あるいはTLR9リガンドであるCpGオリゴヌクレオチドを候補に挙げ検索した。次に、内皮様細胞のT細胞免疫応答能の評価を目的としたマウスモデルの確立のため、同種異系の肝類洞内皮細胞(LSEC)の門脈移入による細胞生着率を検討した。その結果、免疫不全レシピエントマウス(Rag-2/γ-chainダブルノックアウトマウス)の肝臓に同種異系のBalb/cマウスのLSECを移入すると生着は確認できたものの置換率は1%未満であった。しかし、モノクロタリンを用いて宿主の血管内皮障害を施すことで、移入した肝類洞内皮細胞の生着率が5%程度に向上した。移入したLSECのドナー特異的免疫制御能をリンパ球混合試験で確認すると、移入した系統由来の脾細胞Stimulatorに対し、特異的なT細胞応答抑制を認めた。Fas ligand欠損BALB/cのLSECでもT細胞の免疫寛容は誘導され、LSECに表出しているFas ligandはアロ抗原に対する免疫寛容誘導に中心的な役割は担っていないものと考えられた。
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