2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌遺伝子調節発現マウスを用いた発癌モデルにおける肝臓癌幹細胞の同定及び特性解析
Project/Area Number |
20790951
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 隆道 Kyoto University, 再生医科学研究所, 研究員 (70456789)
|
Keywords | 肝臓外科学 / 癌幹細胞 / 肝細胞癌 / 胆管細胞癌 |
Research Abstract |
1. cMyc-ERトランスジェニックマウスの作成 約300個のマウス受精卵に, CAGプロモーター下にヒトc-Mycとエストロゲンレセプターとの融合遺伝子を発現させる遺伝子を導入した. この受精卵を仮親に戻し, 得られた仔マウスのジェノタイピングを行ったところ, 1匹の雌マウスに遺伝子が挿入されていることが分かった.以上により, C57B/Lを背景とするcMycERトランスジェニックマウスの作出に成功した. 2. cMyc-ERマウス, ヘテロ接合体の繁殖 上記のメスcMycERマウスをもとに交配を繰り返し, 仔マウスを得た. それぞれジェノタイピングを行い, トランスジェニックマウスのみを維持している. 現在, 雌雄あわせて約60匹にまで達している. 3. in vitroでのモデルとしての胆管癌細胞株を使った実験. 上記トランスジェニックマウスの作出と並行して, in vitroにおいて癌幹細胞の存在の有無を確認するために次のような実験を行った. 癌幹細胞と組織幹細胞とは多くの共通点を持つことから, 仮に胆管癌において癌幹細胞が存在するならば肝幹細胞/前駆細胞と共通のマーカー発現をしてることが予想される. そこで我々は肝幹細胞/前駆細胞の代表的なマーカーであるAFPに注目し, AFPプロモーター下にEGFPを発現するベクターを胆管癌細胞株に遺伝子導入した. AFP陽性胆管癌細胞は, 自己複製能と分化能, 造腫瘍性を有しているのに対し, AFP陰性細胞は自己複製能しか有しておらず, AFPは胆管癌の癌幹細胞マーカーとして有用であることが示唆された.
|