2008 Fiscal Year Annual Research Report
食道亜全摘手術後の食思関連ホルモンの動向:グレリン高値のパラドックスの解析
Project/Area Number |
20790952
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 由希子 Kyoto University, 医学研究科, 医員 (80456863)
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Keywords | ホルモン / 食道癌 |
Research Abstract |
I. 臨床データの集積 1)食道癌手術患者における食思関連ホルモンの血中濃度測定 (1)食道癌に対して手術を施行された患者に対して術前および術後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月における食思関連ホルモンの血中濃度をELIZA法, EIA法等を用いて測定した。各々空腹時、食後2時間の測定を行い、空腹時血中濃度の変化および、食事刺激に対する反応性の変化を調べている。測定対象は血糖値、インスリン、Ghrelin、leptin、GLP-1、PYY、CCK。 2)食道癌手術患者における術後全身状態及び摂食状態の調査 採血と同時にSF-36等を用いて対面式アンケートを実施し、全身状態および摂食状態の調査を行うための予備アンケートを作成中。 II. 標本に対する基礎研究 1)食道癌術後切除組織における食思関連ホルモンの発現に関する免疫組織学的検討 免疫組織染色でGhrelin、leptin、GLP-1、PYY、CCKの発現を検討するために、食道亜全摘術後切除標本を収集した。よい抗体を検討している。 2)ヒト食道癌細胞株における食思関連ホルモンの発現 (1)食思関連ホルモンの中には発癌と関与するとされるものも存在する。ヒト食道癌細胞株における食思関連ホルモンの発現をRT-PCR、western blot、免疫染色で検討するために、サンプルを収集し、RNA, タンパク、病理標本を作成した。 [本研究の重要性] 食思ホルモンは、術後予想に反した動向を示し、そのパラドックスを解析中である。ブタを用いた結果は欧米で報告されているが、このようなパテドックスは見られていない。人でも複雑なメカニズムを報告することに重要な意義があると考える。
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