2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカイン受容体CXCR3を介した大腸癌進展機構の解析と治療
Project/Area Number |
20790953
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河田 健二 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (90322651)
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Keywords | ケモカイン / 大腸癌 / 転移 |
Research Abstract |
1. CXCR3とCXCR4の機能的相互作用(相乗効果)についての検討 ; 高いリンパ節転移能をもつヒト大腸癌細胞Colo205, HT29, HCT116らはCXCR3とCXCR4を共発現していることは既に我々が報告している。今年度はそれらの細胞株に1)CXCR3 ligand単独、2)CXCR4 ligand単独、3)CXCR3 ligandとCXCR4 ligandを同時に加える、という各条件下において走化性アッセイや浸潤性アッセイを行って機能実験をすすめたところ、CXCR3 ligandの刺激のもとではCXCR4の感受性が亢進していること、すなわちCXCR3とCXCR4の間に相乗効果があることが明らかとなった。現在はCXCR3, CXCR4各受容体の下流のシグナルの解析やマイクロアレイの検討をすすめ、CXCR3とCXCR4の両受容体に協調的に働いているシグナルや遺伝子群の絞り込みを進めている。 2. CXCR3, CXCR4の発現抑制が大腸癌転移を抑制する可能性についてのin vivoの検討 ; CXCR3とCXCR4を恒常的に共発現しているヒト大腸癌細胞株はマウス転移モデルにおけるin vivoでの転移能が高いことは明らかにされている。そこで1)CXCR3単独抑制、2)CXCR4単独抑制、3)CXCR3とCXCR4の両方抑制、された条件を(1)siRNAを使ったstable細胞株の樹立、(2)低分子阻害剤の投与、の2通りの方法で作り出し、マウス転移モデルにおいてその転移能(リンパ節転移、折転移、肺転移)が抑制されるかどうかを検証している。今年度は(1)のsiRNAを使ったstable細胞株の樹立に主に取り組んでおり、siRNAをくみこんだベクターを導入して、現在stable細胞株のスクリーニングがほぼ終わりかけている状況である。今後は樹立された3種類の細胞を用いて上述のようなin vitroの解析を行うとともに、マウス転移モデルを用いてin vivoでの転移能がどのように変化するか、微小転移段階から肉眼的転移巣形成段階までを経時的に(癌接種後1週間、2週間、4週間、6週間)解析する予定にしている。
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Research Products
(3 results)