2009 Fiscal Year Annual Research Report
SPARCを標的分子としたスキルス胃癌に対する診断、治療法の開発
Project/Area Number |
20790962
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
生田 義明 Kumamoto University, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (70452894)
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Keywords | cDNAマイクロアレイ / SPARC / 分子標的療法 / 免疫療法 |
Research Abstract |
スキルス胃癌のcDNAマイクロアレイ解析により同定した腫瘍関連抗原SPARCは腫瘍のみならず、腫瘍G間質にも高発現している。また、多くの癌で高発現することが報告されている。SPARCによるヒト細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導を検討し、免疫療法等の治療法への応用の可能性を探ることを目的とした。 1. ヒト癌の切除組織における間質、癌細胞および正常組織のSPARC蛋白の発現の検討 胃癌、大腸癌、膵癌および正常組織について、SPARCの発現をRT-PCRおよび免疫組織化学的解析により検討した。その結果、高頻度に、癌細胞の細胞質および間質細胞を中心としてSPARC蛋白の発現を認めた。正常組織においては、精巣にてSPARC蛋白の発現を認めたが、その他の組織においては脊髄、肺等においても、SPARC蛋白の発現は認められなかった。 2. SPARCペプチドを用いたがん免疫療法についての検討。 前年度の研究により、BALB/cマウスにおいて、自己免疫現象を伴うことなく、K^d拘束性にSPARC陽性細胞株を傷害するSPARCペプチド特異的CTLを誘導でき、in vivo実験において、抗腫瘍免疫を誘導できることを証明した。これらの研究成果をもとに、実際に健常人および癌患者の末梢血から、HLA-A24に結合性SPARCペプチドを用いて、抗原特異的なHLA-A24拘束性CTLを誘導した。これらのCTLは、in vitroで抗原特異的かつHLA-A24拘束性の細胞傷害活性を示すのみでなく、SPARCを発現するヒト腫瘍細胞株を接種したNOD/SCIDマウスに、SPARC特異的ヒトCTLを静注することにより抗腫瘍効果が観察された。またNOGマウスを用いてSPARCペプチドを負荷したヒトDCを、ヒトCD8陽性細胞と共にマウスの腹腔内に移入することにより、マウス体内でSPARC特異的CTLが誘導された。
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Research Products
(3 results)