2009 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ行性転移におけるリンパ管新生とリンパ節微小転移の意義の解明
Project/Area Number |
20790963
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
蔵原 弘 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70464469)
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Keywords | リンパ節転 / 微小転移 / リンパ管新生 / 微小環境 / 腫瘍関連マクロファージ |
Research Abstract |
本研究は膵癌のリンパ行性転移のメカニズムの解明とリンパ節微小転移の膵癌治療のける意義を明らかにすることを目的としたものである.リンパ管新生因子VEGF-Cを高発現している膵癌ではリンパ管新生が著明に亢進しており,微小転移を含むリンパ行性転移を促進する.更に,転移リンパ節においても,リンパ管新生は亢進しており,転移巣のサイズが大きくなるに従って,リンパ節内リンパ管も増生する.リンパ節内のリンパ管新生はさらに遠位のリンパ節への転移を促進する. また,癌の進展には腫瘍細胞のみではなく,腫瘍細胞とそれを取り囲む腫瘍微小環境における間質細胞との相互作用が重要な働きをする.膵癌の原発巣に浸潤するマクロファージのうち,腫瘍先進部に存在するものは腫瘍進展を促進するM2タイプの腫瘍関連マクロファージへと形質転換している.腫瘍関連マクロファージは,浸潤先進部の癌細胞との相互作用により更なるリンパ管新生を引き起こし,リンパ行性転移を促進する.腫瘍関連マクロファージの存在は有意な予後不良因子である.腫瘍関連マクロファージと癌細胞との相互作用を遮断することは,膵癌進展を抑制する新規治療の標的となり得ると考えられる.
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Research Products
(3 results)