2008 Fiscal Year Annual Research Report
sm浸潤大腸癌治療戦略確立のための新規バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
20790965
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
奥 喜全 Wakayama Medical University, 医学部, 学内助教 (10453185)
|
Keywords | 早期大腸癌 / 遺伝子診断 / バイオマーカー |
Research Abstract |
リンパ節転移を予測するバイオマーカーの存在は, 治療法の選択の強力な診断指標になると考えられ, 患者個人の癌の個性に見合った個別化治療推進のためにもその開発が急務であると考えられる. バイオマーカーの検索にあたり, 我々は大腸癌の先進部の脱分化という現象に着目した. 大腸癌における腫瘍先進部の脱分化は, budding, fbcal dedifferentiationと呼称されリンパ節転移などの癌の悪性度の指標になりうることが報告されている. 我々は, 網羅的遺伝子発現解析から, 大腸癌の脱分化に関与する遺伝子群として計10遺伝子を同定している(Oku Y et. al. Clin Cancer Res. 2008). 我々は, その10個の候補遺伝子から, リンパ節転移に関与するマーカーの同定を試みた. 進行大腸癌症例66例を対象とし, Laser Microdissection法にてtotal RNAを抽出し, リアルタイムRTPCR法によりmRNA発現量を定量した. mRNA発現量と臨床病理学的因子について単変量解析および多変量解析を行い, リンパ節転移に関与する因子を検討した. 測定した10遺伝子のうち, CITED1(Cbp/p300-interacting transactivator, with Glu/Asp-rich carboxy-terminal domain, 1), PCNA(prohfbrating cell nuclear antigen), COLIA2(collagen typel alpha2)のmRNA発現量とリンパ節転移の有無に差を認めた. ROC曲線でcut off値を決定し(AUC : 0.770), 3遺伝子の組み合わせによりリンパ節転移を予測することが可能であることが示された. 今後は免疫組織学的検討を行いさらに, リンパ節転移の診断において最も臨床的意義が大きいとされる早期大腸癌についての解析も行っていく予定である.
|
Research Products
(2 results)