2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト食道癌における所属リンパ節での癌関連遺伝子メチル化の解析
Project/Area Number |
20790971
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
那須 元美 Juntendo University, 医学部, 助教 (90384114)
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Keywords | 食道癌 / メチル化 / リンパ節転移 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
食道癌においては、腫瘍の悪性度が高く、局所が根治的に切除されリンパ節転移を認めなかった場合にも、早期に再発を来す症例を経験する。このような症例の予後を予測する上で、肺の腺癌などで指摘されている腫瘍関連遺伝子のメチル化の関与を明らかにする事を目的とし、2000年〜2004年の間に当院において根治的に食道癌切除術を施行した症例のうち、リンパ節転移を認めなかった症例を抽出し、再発を来した5例と年齢、性別、ステージなどを可及的にマッチさせた対象群5例を選択した。現在、腫瘍部、正常部、リンパ節の各々につき、食道癌で特異な腫瘍関連遺伝子のメチル化の有無をPCRを用いて解析中である。今後、各遺伝子のメチル化と再発、予後などの相関について検討を加える。 また、食道癌のリンパ節転移に関しては、過去の手術切除症例において非連続的に進展することが知られ、他の癌腫では有用であるセンチネルリンパ節診断の精度は低いと考えられている。また跳躍転移の存在が、術前診断や治療方針、手術術式の決定を困難にしている。このようなリンパ節転移の進展様式の解明のため、上記症例の一部についてすべての切除リンパ節(平均約100個/症例)について、組織学的な診断に先駆けた変化の発見を目指し、病理学的に転移を認めないリンパ節での腫瘍関連遺伝子のメチル化をPCRを用いて検索中である。今後、リンパ節転移の進展様式を分子生物学的な見地から解析、検討を加える。
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