2008 Fiscal Year Annual Research Report
メチル化診断チップによる肺癌の分子診断法の確立と発癌リスク評価
Project/Area Number |
20790978
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 誠 Yamagata University, 医学部, 助教 (90420067)
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Keywords | メチル化 / 肺癌 / メチル化診断チップ |
Research Abstract |
1. 肺癌組織におけるメチル化診断チップの実験用プライマーの作製 メチル化診断チップGenoPal^<TM>(三菱レーヨン)注入用のプローブ、Cy5標識プライマー、リン酸化標識プライマー作製を行った。癌抑制遺伝子・癌関連遺伝子のプローブを作成し、同遺伝子のコントロール検体のmultiplex PCR産物から得られた検量線を求め、最適なプローブかどうかを検討した。その結果、RUNX3遺伝子を評価可能な癌抑制遺伝子と判断した。 2. メチル化診断チップGenoPal^<TM>を用いた肺癌手術検体のメチル化解析 RUNX3遺伝子のプローブを注入したメチル化診断チップGenoPal^<TM>を用いてメチル化解析を行い、肺癌手術検体の臨床病理学的事項を検討した。対象 : 肺癌手術例50例(腺癌25例、扁平上皮癌25例)とその対応する非腫瘍組織において、RUNX3遺伝子プロモーター領域近傍のメチル化をメチル化診断チップGemoPal^<TM>を用いて定量的に解析した。方法 : 手術検体からDNAを抽出、Bisulfite処理をしたものをPCRにて増複した。PCR産物を生成、strandase処理を行い、メチル化チップに搭載したプローベとハイブリダイゼーションさせ、検出、解析した。解析はstandization curveからメチル化率を算出した。結果 : RUNX3遺伝子のメチル化率において、腺癌の癌部では0-78.40%(平均20.26%)、非癌部では0-54.80%(平均7.36%)、扁平上皮癌の癌部では0-33.70%(平均6.22%)、非癌部では0-92.50%(平均9.54%)であった。結論 : RUNX3遺伝子は扁平上皮癌よりも腺癌の癌部でメチル化率が有意に高く(p<0.03)、いずれの非癌部組織よりも高く、癌特異性があると考えられた。
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