2009 Fiscal Year Annual Research Report
メチル化診断チップによる肺癌の分子診断法の確立と発癌リスク評価
Project/Area Number |
20790978
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 誠 Yamagata University, 医学部, 非常勤講師 (90420067)
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Keywords | メチル化 / 肺癌 / メチル化診断チップ |
Research Abstract |
1.メチル化診断チップの定量性評価 RUNX3伝子のプロモーター領域のメチル化をreal-time quantative methylation-specific PCR法を用いて定量的に測定し、メチル化診断チップで得られたメチル化率と定量性について比較検討した。結果:real-time-MSPでは肺癌部のメチル化率は0.03-57.71%(平均8.50%)、非癌部では0-12.29%(平均2.44%)と癌部で有意に高い結果であった(p<0.01)。MSP法を用いたRUNX3遺伝子のメチル化解析の結果と照合し、cut-off値は>10に設定した。 組織型別では、腺癌の癌部のメチル化率は0-57.71%(平均8.50%)、非癌部では0-12.29%(平均2.44%)と癌部で有意に高い結果であった(p<0.01)。 2.メチル化パターンと臨床病理学的因子の検討 RUNX3遺伝子のメチル化率を再発死亡例(N=23)、生存例(N=73)に分けて比較検討した。 同一検体の非癌部のメチル化率は2.57±0.41%であった。再発死亡例では16.49±3.47%、生存例では5.54±0.95%で、有意に再発死亡例で癌部におけるメチル化率が高い結果であった(p<0.01)。 この結果から、病理病期I期の群において癌部のメチル化率を定量的に調べることにより、予後不良群を同定でき、治療法の計画を変え、肺癌全体の予後を改善させる可能性が考えられた。
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