2009 Fiscal Year Annual Research Report
SCIDマウス同所移植モデルを用いた肺癌・悪性胸膜中皮腫蛍光診断の検討
Project/Area Number |
20790991
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
滝沢 宏光 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90332816)
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Keywords | 蛍光診断 / 5-アミノレブリン酸 / SCIDマウス / 肺癌 / 悪性胸膜中皮腫 |
Research Abstract |
胸膜悪性腫瘍に対する光感受性物質を用いた蛍光診断の可能性を検討するために,in vitroおよびin vivoの実験を行った.<in vitro>ヒト肺癌細胞株(A549,Ma44-3,FT821)とヒト悪性胸膜中皮種細胞株(MSTO211H)をスライドグラス上で培養し,0.03%の5-アミノレブリン酸を4時間作用させた後に蛍光顕微鏡(励起波長380-420nm)にて観察を行ったところ,すべての細胞株において細胞に一致した赤色蛍光を観察できた.<in vivo>上記の細胞株をSCIDマウス胸腔内へ移植し,胸膜悪性腫瘍モデルマウスを作成した,各モデルにおいて胸膜腫瘍病変ができる時期に100mg/kgおよび400mg/kgの5-アミノレブリン酸を経口投与し,投与から4時間後および6時間後にマウスを犠牲死させ,VLD-M1(M&M社)を用いて405nmの励起光を胸腔内に照射し蛍光診断を行ったところ,400mg/kg投与後4時間後の腫瘍部分が発する蛍光が最も明瞭であった.白色光下観察と蛍光診断による胸膜腫瘍病変の検出率を比較したところ,蛍光診断の方がより多くの病変を検出でき,より微小な病変の検出にも有効であった.病理学的に蛍光を認めた部位には腫瘍の存在が確認された. これらの結果から5-アミノレブリン酸を用いた蛍光診断は,肺癌における胸膜播腫の術中診断の精度,または悪性胸膜中皮腫の早期診断率を向上させる可能性が示唆された.本実験の結果は第110回日本外科学会定期学術集会において発表した.
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Research Products
(1 results)