2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790996
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
新保 年弘 Kitasato University, 医療衛生学部, 助教 (10406910)
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Keywords | 人工心肺 / 体外循環 / リンパ球 |
Research Abstract |
【目的】本年度は、人工心肺材料として人工肺とリザーバに着目し、ex vivoにおいて人工肺の有無でのリンパ球機能とリザーバ内の空気接触の有無でのリンパ球機能について検討した。 【方法】ブタ血液をHt30%にし、この血液を34℃にて保存したもの(34℃群)、リザーバと血液回路のみで循環させたもの(人工肺なし群)と血液回路に人工肺を組み込み循環させたもの(人工肺あり群)を比較対象とし、またソフトリザーバから空気を抜いて循環させたもの(閉鎖回路群)とソフトリザーバに空気を入れて循環させたもの(空気接触群)を比較対象とした。循環時間は3時間、流量は3l/minで循環させた。それぞれの各群より得られた血液からリンパ球を分離し、リンパ球のmitogenであるConcanavalinA(ConA)を添加したもの、Phytohemagglutinin(PHA)を添加したものと無刺激のものを48時間培養した。その後、WST-8を加えてそれぞれの吸光度を測定し、培養前の吸光度と比較することで、増殖能を評価した。 【結果】人工肺の有無の違いによるリンパ球増殖能は、ConA刺激、PHA刺激とも、34℃群、人工肺なし群、人工肺あり群の順に低下し、PHA刺激では人工肺なし群、人工肺あり群の間に有意差が見られた。空気接触の有無の違いによるリンパ球増殖能はConA刺激、PHA刺激ともに有意差はなかった。 【考察、結語】このことからリンパ球は体外循環により機能は低下するが、そのほとんどはリザーバでの空気接触によるものではなく、循環による血液回路、人工肺など人工肺材料の接触で影響が受けると考えられる。
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