2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入細胞障害性T細胞による悪性グリオーマへの養子免疫療法の開発
Project/Area Number |
20791006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島戸 真司 Nagoya University, 医学部・附属病院, 助教 (30464142)
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Keywords | 脳腫瘍 / 養子免疫療法 / 特異抗原 / 遺伝子導入 / 細胞障害性T細胞 / T細胞受容体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、悪性グリオーマに対する新規治療法として、グリオーマ特異抗原であるIL13Rα2を標的とした遺伝子導入細胞障害性T細胞(CTL)による養子免疫療法を開発することにある。本年度は以下のことを行った。 1. 本治療法の適応範囲を知る上で、用いる抗原であるIL13Rα2がグリオーマにどのくらいの頻度で発現しているかを確認することが重要である。そこで、患者から得られたグリオーマ組織の切片に対してIL13Rα2に対するモノクローナル抗体を用いて免疫染色を行い、その発現を解析した。グリオーマを悪性度により分類し、その発現頻度を検討すると、最も悪性度の高いGrade4のグリオーマでは、半数以上でIL13Rα2の発現が見られ、また同一患者で悪性転化した症例を検討すると、悪性化とともにその発現が強くなり、悪性化とも関連することが示唆された。 2. 本治療の治療材料であるCTLを樹立する際に、T cell receptor(TCR)の遺伝子導入技術が要になる。そこで、すでに当研究室で保有している他の抗原(変異型EGFR)に対するTCR遺伝子を用いて、T cellへの遺伝子導入法を検討した。レトロウィルスベクターを用いることにより、T cellに対してTCR遺伝子を導入したのち、日的とするTCRがその細胞表面上に発現していることを、フローサイトメトリー等の方法によって確認した。また遺伝子導入されたCTLは腫瘍細胞と反応してIFNγを放出し、TCRが有効に機能していることが示唆された。 上記の結果から、IL13Rα2は対象抗原としてふさわしく、TCR導入も可能であると考えられ、今後はIL13Rα2に対するTCRを作成して、それをT cellに遺伝子導入してIL13Rα2特異的CTLを樹立することが次のステップである。
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[Journal Article] Identification of a huinan leukocyte antigen-A24-restricted T-cell epitope derived from interleukin-13 receptor a2 chain, a glioma-associated antigen2008
Author(s)
Shimato S, Natsume A, Waknbayashi T, Tsujimura K, Nakahara N, Ishii J, Ito M, Akatsuka Y, Kuzushima K, Yoshida J
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Journal Title
Journal of Neurosurgery 109
Pages: 117-112
Peer Reviewed
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