2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミニブタ頚動脈狭窄モデルを用いた高磁場MRIプラーク診断及び流体力学的解析
Project/Area Number |
20791009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 暁 京都大学, 医学研究科, 助教 (30467469)
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Keywords | 頚動脈 / 不安定プラーク / 壁面せん断応力 |
Research Abstract |
本研究は、ブタ頚動脈に実験的動脈硬化性病変を誘導して、高磁場MRIによる経時変化及び脳塞栓症の関係を明らかにすることである。生後6ヶ月以内のミニブタの頚動脈を外科的に部分結紮して外科的狭窄を作成した。食餌操作(20%Lard/4%Cholesterol)による高脂血症の状態で約3-6ヶ月飼育し、MRI撮像後に安楽死させ、頚動脈プラークを摘出した。MRIで描出されたプラークはほとんどがnecrotic coreやlipid coreを内部に持ち、繊維性皮膜の菲薄化あるいは破れた、いわゆる「不安定病変」であった。 本年度は、この動物モデルを用いて、MRIを用いた流体力学的解析を行った。MRIのPhase contrast法により得られたミニブタ頚動脈の血流測定値を用いて、頚動脈内の壁面せん断応力shear stressを計算した。狭窄部遠位は著明な血流上昇により壁面せん断応力は高値に維持されているが、近位部は血流方向が収縮期と拡張期で反転するため、壁面せん断応力は低値となっていた。外科的狭窄により近位部の壁面せん断応力が低値に維持され、動脈硬化性病変が誘導されることが強く示唆された。 また、本研究では、プラーク評価における近赤外線の有効性も発見した。摘出されたプラークの一部を凍結し切片を作成、VIR-9650(日本分光)を用いて、近赤外線を照射し、吸収スペクトラムを測定した。脂肪成分、平滑筋成分、石灰化成分で大きく異なるスペクトラムが示された。特に、脂肪成分では1750nmおよび2300nm付近に特徴的な波形を認めた。これらの吸収スペクトラムは標本の水分含有量によって多少のばらつきはあるものの、概ね良好な再現性を示した。特に、脂肪成分の特徴的な波形は極めて強い再現性を有していた。これらの吸収スペクトラムの違いによりプラーク成分を体外から評価できる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)