2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経作動薬を用いた脳腫瘍幹細胞ターゲット療法の開発
Project/Area Number |
20791013
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉川 功一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (50379955)
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Keywords | 脳腫瘍 / グリオーマ / 脳腫瘍幹細胞 / 神経作動薬 / ターゲット療法 |
Research Abstract |
1) ヒト悪性神経膠腫サンプルから脳腫瘍幹細胞(BTSC)細胞株の樹立 平成20年度中に、合計6つ(全例、膠芽腫)の脳腫瘍幹細胞株の樹立に成功した。いずれも当初の計画どおりのプロトコールで樹立をおこない成功したもので、本研究で行っている新規培養法の有用性が確認された。また研究試料提供患者に対しては主治医からインフォームドコンセントを十分行い、本実験の趣旨・目的、治療上患者の不利益となることがないこと、承諾後であっても希望があれば試料提供を撤回できること、患者個人情報に関して公になることはないことを明記した承諾書に本人の直筆サインをもらった。 2) 細胞株のBTSCとしての特性評価 平成20年度中に、樹立した細胞株のうち3つの細胞株で、脳腫瘍幹細胞としての特性評価を終了した。いずれの株もNestin, Sox2といった神経幹細胞マーカーを強く発現し、かつ分化マーカーであるGFAP, TuJ1, CNPaseの発現はほとんど認められなかった。これら3つの細胞株を免疫不全マウス(NOD/SCID)脳に定位的移植し、腫瘍形成能を確認中であるが、現在までに少なくとも2つの細胞株で、少数の細胞移植で膠芽腫のxenograft作成に成功している。CD133陽性率をflowcytometryにて確認したところばらつきがみられており、CD133が必ずしも理想的な脳腫瘍幹細胞マーカーではないことを示唆する所見も得た。以上、平成20年度の実験は当初の計画通り非常に順調に進んでいる。
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