2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経作動薬を用いた脳腫瘍幹細胞ターゲット療法の開発
Project/Area Number |
20791013
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉川 功一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (50379955)
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Keywords | 脳腫瘍 / グリオーマ / 脳腫瘍幹細胞 / 神経作動薬 / ターゲット療法 |
Research Abstract |
1) 脳腫瘍幹細胞(BTSC)細胞株の樹立ならびにcharacterization 平成20年度中に合計6つ(全例、膠芽腫)の脳腫瘍幹細胞株の樹立に成功していたが、平成21年度に更に3つ(膠芽腫2例、乏突起細胞腫1例)の細胞株樹立に成功した。これら合計9つの細胞株の癌幹細胞としての特性の検証をおこなった。その結果、いずれの細胞もCD133, CD15, CD44、Nestinなどの幹細胞マーカーを発現し、さらに強制分化誘導によりastrocyte、oligodendrocyte、neuron系への多分化能を有することを確認した。またこれら細胞株を免疫不全マウス(NOD/SCID)脳に定位的移植し、腫瘍形成能を確認したところ強い腫瘍形成能を有していることが確認でき、治療実験に向けた材料として申し分のない脳腫瘍幹細胞株であることを確認した。 2) グリオーマ幹細胞特異的抗腫瘍効果を持つ薬剤のスクリーニング 当初候補薬剤として挙げていたapomorphine, PAPP, ifenprodilも含めて、なるべく多くの薬剤を網羅的に検証(drug screening)すべく、FDA承認薬からなるNIH clinical collectionの480種類の薬剤を網羅的に用いた薬剤治療実験系の構築を行った。効果判定にはtime-lapse imagingを用いたlive-cell imaging screening法を用いることとした。これらシステムはすでに当研究施設内でset upされており本研究費からの支出は今のところ予定していない。これによりin vitroでの薬物治療効果実験を開始しはじめており、データが出始めている。 以上、平成21年度の実験は当初の計画通り非常に順調に進んでいる。
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